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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻3号

1997年03月発行

文献概要

論述

寛骨臼回転骨切り術後の血腫による合併症

著者: 武田浩一郎1 菊地臣一1 斎藤昭2

所属機関: 1福島県立医科大学整形外科 2公立相馬総合病院整形外科

ページ範囲:P.229 - P.234

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 抄録:寛骨臼回転骨切り術(以下RAOと略す)を行った67例74関節を対象に,術後血腫による合併症について検討した.血腫の測定は,CTを用いて股関節周囲筋の筋体積の術前後の差を求め,これを血腫量とした.合併症で最も頻度の高かったのは術後2日以内の下腹部痛で,24関節(32.4%)に認められた.次いで肝機能障害が23関節(31.1%)に,末梢神経障害が19関節(25.7%)に認められた.術後2日以内に下腹部痛を訴えた症例は,骨盤内腔の血腫量が47.3mlであった.これに対し,下腹部痛を認めなかった症例での骨盤内腔の血腫量は,18.5mlであり,下腹部痛を有した症例と比べて少なかった.術後2日以内の下腹部痛の発生には骨盤内腔に広がった血腫が関係していると考えられた.RAOによる合併症の関与因子として術後の血腫形成も念頭におく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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