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文献概要
整形外科英語ア・ラ・カルト・53
整形外科分野で使われる用語・その20
著者: 木村專太郎1
所属機関: 1那珂川病院
ページ範囲:P.244 - P.245
文献購入ページに移動これは“Gigli wire saw”とも呼ばれ,日本語では“糸ノコ”と呼ばれている.整形外科の分野では,四肢切断の骨切り術のときに“Gigli saw”が用いられるし,また脳外科手術の際に,開頭部分を拡大するとき用いられる.まず開頭の部位の大きさに合わせて4ヵ所に“bur hole”を開け,あとはこの“糸ノコ”で頭蓋骨切りを行う.このように“Gigli saw”は整形外科や脳外科には,有用な器具である.
さてこの鋸を考案した“Leonardo Gigli”(1866-1908)はイタリアで活躍した産婦人科医である.まず“Gigli”の読み方であるが,米語では“ギグリー”と発音されているが,ドーランド英語辞典(Doland's Illustrated Medical Dictionary)には“ジェルエー”と発音するように書かれている.日本語の人名辞典で,“Gigli”の項をみると1890年に生まれたイタリアの有名なテノール歌手に,“Berniamino Gigli”がいる.そして“Gigli”の読み方は,第2番目の“g”がサイレントで“ジーリ”と書かれている.
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