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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻3号

1997年03月発行

文献概要

臨床経験

膝後十字靱帯より発生したガングリオンの1症例

著者: 若林敏行1 入江一憲1 榎本宏之1 井上和彦1

所属機関: 1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター整形外科

ページ範囲:P.257 - P.260

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 抄録:後十字靱帯(以下PCL)より発生したガングリオンの1症例を経験した.症例:48歳,男性.しゃがんだ状態で物を持とうとして左膝痛が出現し,当科を初診.関節可動域は0~90°で最大屈曲時に疼痛を強く訴えるとともに弾性抵抗を生じた.MRIの結果,PCL近傍に腫瘤を認めた.腫瘤は高信号強度のperipheral ringを認め,骨格筋と比べてT2強調像で高信号,T1強調像でほぼ同信号強度を呈した.疼痛,可動域制限が改善しないため,手術的に摘出.組織は有茎性,多房性の嚢腫様で,ガングリオンと診断された.術後経過は良好で,術後1年6カ月の現在,再発を認めていない.PCLガングリオンは稀であり,本症例を含めて26例の報告を見るのみである.症状は半月板損傷時に似るが,外傷歴の有無,屈曲時の弾性抵抗の有無,関節裂隙の圧痛の有無,症状の消退の有無などが参考になる.画像診断ではMRIがきわめて有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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