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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻3号

1997年03月発行

文献概要

臨床経験

鎖骨骨折変形癒合によって生じた肩峰下インピンジメント症候群の1例

著者: 柏木忠範12 小川清久1 宇井通雅1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科 2足利赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.269 - P.272

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 抄録:鎖骨骨折変形癒合により肩峰下インピンジメント症候群を生じた1例を経験したので報告する.症例は,31歳男性で,1988年5月に交通事故で意識障害を伴う脳挫傷と左鎖骨骨折を含む多発外傷を受傷した.左鎖骨が短縮・回旋変形癒合した後,左肩関節の拘縮除去のため,可動域訓練が行われたが,左肩関節痛と挙上困難が持続したため1991年11月に当科を受診した.鎖骨骨折の変形癒合を一次的原因とする肩峰下インピンジメント症候群と診断し,鎖骨矯正骨切り術,前肩峰形成術および腱板修復術を施行した.術後経過は良好で,可動域の改善が得られた.解剖学的な整復を要しない鎖骨骨折と言えども,著しい形態的逸脱は機能障害の原因となり得ることを認識するべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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