文献詳細
文献概要
臨床経験
頚椎症性椎骨動脈循環不全症の治療経験
著者: 三戸明夫1 星忠行1 新井弘一1 成田穂積1 増谷守彦1 伊勢紀久2
所属機関: 1青森県立中央病院整形外科 2青森県立あすなろ学園整形外科
ページ範囲:P.273 - P.276
文献購入ページに移動症例は60歳男性.頚部右回旋によって回転性めまいが誘発され,自動車後進時,睡眠時の恐怖感を主訴に受診した.神経学的には異常を認めなかったが,頚部右回旋60°にてめまいが確実に再現された.動脈造影の所見では頚部右回旋によりC5/6レベルでの右椎骨動脈の狭窄像が認められた他に椎骨脳底動脈系のvariationが認められた.また同部位のCT像にて頚椎骨棘による横突孔の狭小化が認められたため頚椎症性椎骨動脈循環不全症と診断した.手術はC5-6間の骨棘切除および前方固定を行った.術後13カ月の現在,術前の頚部右回旋によるめまい症状は完全に消失し経過良好である.
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