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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻3号

1997年03月発行

文献概要

臨床経験

頚椎症性椎骨動脈循環不全症の治療経験

著者: 三戸明夫1 星忠行1 新井弘一1 成田穂積1 増谷守彦1 伊勢紀久2

所属機関: 1青森県立中央病院整形外科 2青森県立あすなろ学園整形外科

ページ範囲:P.273 - P.276

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 抄録:めまいの原因は様々であるが,頚椎骨棘による椎骨動脈障害もその一因となる.われわれは頚椎骨棘による頚部回旋時の回旋側の椎骨動脈狭窄によって重篤な回転性めまいを発現した1症例を手術的に治療したので文献的考察を加えて報告する.
 症例は60歳男性.頚部右回旋によって回転性めまいが誘発され,自動車後進時,睡眠時の恐怖感を主訴に受診した.神経学的には異常を認めなかったが,頚部右回旋60°にてめまいが確実に再現された.動脈造影の所見では頚部右回旋によりC5/6レベルでの右椎骨動脈の狭窄像が認められた他に椎骨脳底動脈系のvariationが認められた.また同部位のCT像にて頚椎骨棘による横突孔の狭小化が認められたため頚椎症性椎骨動脈循環不全症と診断した.手術はC5-6間の骨棘切除および前方固定を行った.術後13カ月の現在,術前の頚部右回旋によるめまい症状は完全に消失し経過良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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