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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻3号

1997年03月発行

文献概要

臨床経験

𦙾骨近位骨幹端部に発生したadamantinomaの経験

著者: 渡辺昌彦12 大幸俊三1 武郁1 奥村明彦1 鈴木高祐3

所属機関: 1日本大学医学部整形外科学教室 2日本大学医学部付属練馬光が丘病院 3日本大学医学部第1病理学教室

ページ範囲:P.291 - P.294

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 抄録:adamantinomaの発生率は全国骨腫瘍登録(1972~1994)で21例とわずかであり,そのうち𦙾骨に12例が発生し,大部分が骨幹部にみられている.しかし,骨幹端部に発生することはさらに稀である.われわれの経験した症例は骨幹端部にみられたことと,通常よくみられるosteofibrous dysplasiaの画像とは異なり,骨外に広がるタイプで,生検では診断に困難を伴った.化学療法を行ったが,ほとんど効果なく,広範に切除し,人工関節で置換した.切除標本ではadamantinomaと診断され,術後3年になるが,現在のところ再発や転移はなく,膝の伸展に障害があるもののブレースを着けて通学している.この疾患は外傷の既往歴をもつものが多いとされており,また,組織学的に一見,良性骨腫瘍に類似することから,手術が単純のものとなり易い.しかし,再発率や転移率が高い二とから,十分に組織像を検討し手術法を選択する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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