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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻3号

1997年03月発行

文献概要

臨床経験

脳性麻痺児にみられた橈骨頭脱臼

著者: 二井英二1 西山正紀1 半田忠洋1 山崎征治2

所属機関: 1三重県立草の実学園整形外科 2上野総合市民病院整形外科

ページ範囲:P.307 - P.310

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 抄録:脳性麻痺児における橈骨頭脱臼の7例(8関節)を経験したので報告した.前方脱臼6例(全例片側),後方脱臼1例(両側)であり,発症年齢は平均10歳6カ月であった.ほとんどの例で軽度の肘関節屈曲および著明な前腕回内拘縮がみられたが,疼痛を訴えたものはなかった.また,手関節,手指の動きに大きな制限のみられないものでは,日常生活上の障害は比較的軽度であった.脳性麻痺における橈骨頭脱臼の報告はきわめて少ないが,発生頻度としては2~3%との報告もみられ,それほど稀ではない.脱臼の原因としては,上腕二頭筋腱による橈骨頭への牽引力や回内拘縮の持続による関節包などの弛緩が考えられているが明らかではない.自験例および過去の報告例において,前方脱臼の頻度が高いが,後方脱臼も少なからずみられており,その他の因子が関与していることも考えられた.脱臼による日常生活上の障害や疼痛はほとんどみられず,観血的療法の適応は少ないと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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