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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩(第25回日本脊椎外科学会より)

腰椎椎間板ヘルニアにおける椎体終板損傷の病態

著者: 豊根知明1 田中正1 伊嶋正弘1 南徳彦1 中島秀之1 大鳥精司1 林隆之1

所属機関: 1君津中央病院整形外科

ページ範囲:P.343 - P.347

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 抄録:遊離・脱出した腰椎椎間板ヘルニア38症例を対象とし,ヘルニアに隣接する椎体終板を観察した.終板病変は,MRI T1強調像にて低輝度・T2強調像にて高輝度を示すtype 1と,Tl強調像にて高輝度・T2強調像にて等~軽度高輝度を示すtype 2に分類した.その結果終板病変を認めたのは16例,42.1%(男性8例,女性8例,平均42.6歳)であり,全例がtype 2を示した.下肢痛の発症からMRI撮像までの期間は平均7週,特に10例では発症後4週以内にすでにtype 2の変化を示していた.組織学的に終板の損傷骨梁の肥厚および線維血管性骨髄を反映するtype 1は,脂肪性骨髄を反映するtype 2へと経年的に移行することが知られている.すなわち急性発症の椎間板ヘルニア症例において,これに数年は先行するであろう終板損傷の存在が示唆された.ヘルニア発生の機序に関与するものであると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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