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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩(第25回日本脊椎外科学会より)

軟性脊髄鏡の臨床応用と新知見

著者: 内山政二1 長谷川和宏1 本間隆夫1 高橋栄明1 下地恒毅2

所属機関: 1新潟大学医学部整形外科 2新潟大学医学部麻酔科

ページ範囲:P.401 - P.406

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 抄録:光学メーカーと共同で外径0.5mm,0.9mm,1.4mmの極細軟性脊髄鏡を開発し,1987年以降,原因不明の疼痛または麻痺を呈した17例に検査を実施した.腰椎穿刺の要領でTouhy針をガイドとしてくも膜下腔に刺入し,ゆっくり上行させた.腰椎から大後頭孔まで鏡視可能であり,脊髄表面,馬尾および神経根糸,くも膜の性状,小血管が明瞭に観察された.新知見として,胸髄くも膜嚢腫または脊髄ヘルニアと酷似した画像所見を呈した3例で,わた菓子状の柔らかい線維組織塊が髄液拍動で振動し,脊髄を叩打している状態を観察した.同部で脊髄は著しく萎縮していたが,線維組織塊を切除し,麻痺の改善を得た.合併症は化膿性髄膜炎が1例,1週前後続いた頭痛が5例であり,神経損傷はなかった.脊髄鏡は髄液を保ったままくも膜下腔の状態がダイナミックに観察できる唯一の手段であり,他の検査との併用により,脊髄疾患の診断治療に大きく寄与すると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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