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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩(第25回日本脊椎外科学会より)

神経根圧迫が脊髄および後根神経節に及ぼす影響

著者: 小林茂1 吉沢英造 中井定明 志津直行 山田秀一 永津郁子1 酒井正雄1

所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部整形外科 2藤田保健衛生大学医学部解剖学

ページ範囲:P.447 - P.462

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 抄録:腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などでみられる神経根圧迫が脊髄前角部や後角部,そして後根神経節にどのような影響を及ぼすかは不明な点が多く,圧迫性神経根障害の病態生理を理解するうえでも脊髄や後根神経節内の変化を解明することが重要である.今回作成した神経根圧迫モデルでは,圧迫1週間後より前根や後根内にワーラー変性が認められ,前角細胞や後根神経節細胞には軸索反射により中心性色素融解(chromatolysis)が生じていた.また,後角部のシナプスはワーラー変性により崩壊しており,免疫組織化学的検索でも後角部の神経終末や後根神経節細胞(小型細胞)内の神経伝達物質(SP・CGRP・SOM)は減少していた.この結果より圧迫性神経根障害において障害される領域は,神経根だけでなく脊髄や後根神経節など広い領域にわたって生じていることが証明された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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