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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩(第25回日本脊椎外科学会より)

頚椎後縦靱帯骨化症患者の遺伝的要因と力学的負荷の関係

著者: 松永俊二1 酒匂崇1 武富栄二1 溝口成朋1 林協司1

所属機関: 1鹿児島大学医学部整形外科

ページ範囲:P.483 - P.488

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 抄録:頚椎後縦靱帯骨化症(OPLL)の成因はいまだ不明である.本研究では,OPLLの成因として遺伝的要因と頚椎部の力学的負荷がどのように関係しているかを知る目的でOPLL患者家系のHLAハプロタイプ解析と日常生活における頚椎への力学的負荷の状態を調査した.OPLL患者105名における頚椎への力学的負荷の状態に関する調査ではOPLL患者は頚椎前屈位保持時間が頚椎性脊髄症患者に比べ有意に長かった.OPLL手術例24名とその兄弟61名によるHLAハプロタイプ解析では,HLAハプロタイプの共有度が高いほどOPLLの頻度が高く,遺伝的因子の関与が示唆された.また,HLAハプロタイプの共有度が高いにもかかわらずOPLLの認められない兄弟は,OPLLの認められる兄弟より頚椎前屈位保持時間が有意に長かった.OPLLは遺伝的因子が基礎にあると考えるが,頚椎部の機械的負荷も本症の発生に二次的要因として重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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