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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩(第25回日本脊椎外科学会より)

MRIによる変性腰部脊柱管狭窄の自然経過

著者: 吉田宗人1 玉置哲也1 林信宏1 山田宏1 中塚映政1 南出晃人1 岩崎博1 角谷昭一2 角谷英樹2

所属機関: 1和歌山医大整形外科 2角谷整形外科病院

ページ範囲:P.489 - P.497

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 抄録:腰部脊柱管狭窄を認めた長期保存的治療例についてMRIを用いて脊柱管形態の変化を観察し,神経症状と比較した.最終MRI撮像時が60歳以上の症例をA群それ以下をB群とするとA群は28例で初回撮像時平均年齢64.3歳,平均追跡期間4.2年であった.B群は12例で,初回撮像時平均年齢46.7歳,平均追跡期間4.9年であった.A群28例の臨床症状は,悪化が11例40%であったのに対して,B群の12例では悪化は2例17%であった.硬膜管狭窄はA群の11例57%に狭窄進行が認められ,硬膜管面積の減少した50%に臨床症状の悪化を認めた.B群では4例33%に進行がみられたが,臨床症状の悪化は1例のみであった,変性脊柱管狭窄症の病態は多因的ではあるが,前方の狭窄因子である椎間板因子,特に椎体終板障害が重要であり,腰部脊柱管狭窄症の治療にはそれらの経時的変化を十分に考慮して治療を撰択する必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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