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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩(第25回日本脊椎外科学会より)

転移性脊椎腫瘍に対する術前予後判定点数

著者: 徳橋泰明1 松崎浩巳1 佐々木睦朗1 桑原正彦1 植松義直1

所属機関: 1日本大学医学部整形外科

ページ範囲:P.515 - P.522

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 抄録:予後により獲得QOLが異なる転移性脊椎腫瘍では術式選択上,術前の予後予測が重要である.1987年全身状態,脊椎以外の骨転移数,脊椎転移数,原発巣の種類,主要臓器転移の有無,麻痺の状態の6項目からなる術前予後判定点数(12点満点)を作成した.総計点数5点以下(予想予後6カ月未満)で後方主体の姑息的手術,9点以上(予想予後1年以上)で前方,前後合併による転移巣切除・掻爬の術式,6~8点(予想予後6~12カ月)では病巣の局在型などによりいずれかを選択してきた.術後死亡128例について本判定点数の予後予測の精度ならびに術式選択について検討した.その結果,判定点数の総計点数と実際の予後の間には統計学的に0.0l%の危険率で相関関係が得られた.予想予後の一致率は全体で63.3%であったが,術式選択上,特に問題となる5点以下群の一致率は92.7%,9点以上群では84%と高率で有効であった.疾患特異性を考慮すると本判定点数は単純かつ簡便で有用性は高いと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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