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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩(第25回日本脊椎外科学会より)

胸椎高度後弯による胸髄症に対する後側方進入前方除圧術とその成績

著者: 斉藤正史1 稲見州治1 山下裕1 今泉佳宣1 服部和幸1 柴崎啓一1 大谷清1

所属機関: 1国立療養所村山病院整形外科

ページ範囲:P.523 - P.530

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 抄録:胸椎高度後弯による胸髄症の7例にたいして肋骨横突起切除による後側方進入前方除圧術を行ったので報告する.症例は男2例,女5例,手術時年齢は,平均43(15~50)歳であった.後弯の原因疾患は,若年期に罹患した脊椎カリエス後の後弯6例と先天性後側弯症1例であり,後弯角は,脊椎カリエス後の後弯が平均105°(70~125),先天性後側弯症180°と高度の後弯を認めた.手術成績は,JOA scoreで術前平均4.6(1~6)点が術後平均7.0(1~10)点に改善し,改善率は,平均43(0~80)%と良好な成績が得られ,術後合併症もなかった.
 胸椎後弯による胸髄症では,通常の前側方進入による前方除圧術は,除圧が困難で脊髄損傷の危険性があり適応が限られる.本術式は,手技的に難易度が高いが,高度後弯例では唯一といえる術式であり,有用と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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