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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻5号

1997年05月発行

文献概要

論述

長軸力優位型前腕bipolar injuryの検討

著者: 中村俊康12 矢部裕1 堀内行雄1 高山真一郎1 関敦仁1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院整形外科

ページ範囲:P.557 - P.563

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 抄録:われわれはEssex-Lopresti骨折やbipolar dislocationなどの手関節と肘関節内に同時に脱臼や骨折が生じる損傷を前腕bipolar injury(双極損傷)としてまとめ,損傷機序から長軸力優位型と回旋力優位型に分類,回旋力優位型例3例を報告した.この長軸力優位型と回旋力優位型の違いは橈骨が尺骨に対して長軸方向に解離するlongitudinal radio-ulnar dissociation(以下LRUD)の有無にあり,その主原因は前腕骨の骨性支持の喪失と広範な骨間膜損傷にあると考えられる.今回,著明なLRUDを生じた長軸力優位型bipolar injuryの陳旧例(Essex-Lopresti骨折2例,Essex-Lopresti lesion 1例)を経験した.その内2例はLRUDの進行を防止することに主眼をおいて治療し,良好な結果を得ることができたが,残りの1例は手関節痛にのみ対処した治療が他医で行われ,LRUDの進行が危惧された.LRUDを生じるbipolar injuryでは慎重な術前の治療planningが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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