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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻5号

1997年05月発行

文献概要

誌上ワーク・ショップ セメント手技の実際

人工股関節置換術における大腿骨コンポーネントのセメント固定法と成績

著者: 木下勇1 西岡孝1

所属機関: 1徳島大学医学部整形外科

ページ範囲:P.597 - P.604

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 抄録:人工股関節手術時の大腿骨コンポーネントのpolymethylmetacrylate bone-cementによる固定法の実際について述べた.その最も重要なポイントは,髄腔内へのセメントの充填度にもまして,固定時のセメントへの加圧(cement pressurization)にあり,これによって骨母床へのセメントの侵入によるmicro-interlockingが効果的となる.それには①髄内プラグとセメントインジェクターの使用,②髄腔占拠率の高いコンポーネントの使用,③固定のタイミング,の3点が挙げられる.なかでも固定のタイミングは,セメントのdoughy stage(餅状期)に髄腔へ注入しセメントが可塑性を有する時期の後半に最終の打ち込みを施行する.最も好ましくないのは髄腔占拠率の低いコンポーネントの使用下にセメントの低粘性期に挿入を完了することである.
 適切なタイミングで固定するには,絶えずセメントの重合状態を観察し,重合速度に最も大きい影響を与える室温(環境温度)にも注意を払うべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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