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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻5号

1997年05月発行

文献概要

臨床経験

第2中手骨基部裂離骨折3例の治療経験

著者: 吉川泰弘1 松林経世1 塩田匡宣1 石橋昌則1 大熊一成1 安藤祐之1 有野浩司2 関美世香3

所属機関: 1平塚市民病院整形外科 2清水市立病院整形外科 3国立埼玉病院整形外科

ページ範囲:P.645 - P.648

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 抄録:長橈側手根伸筋(以下ECRL)の停止部である第2中手骨基部橈側茎状突起の裂離骨折を3例経験したので報告する.症例は17歳の女性,21歳と16歳の男性であり,受傷原因は2例が殴打,1例が交通外傷であった.いずれも単純X線像で第2中手骨基部橈側に骨欠損像と背側中枢に転位した裂離骨片を認めたので,観血的に整復後Kirschner鋼線またはHerbert Mini Bone Screwによる内固定術を行い,良好な結果を得た.本骨折の報告は渉猟し得た限り本邦にはなく,海外に11例あるのみであった.本骨折の受傷機転は,ECRLが強く緊張した状態で手関節が屈曲強制されて生じる牽引力,および第2中手骨に軸圧が加わって生じる剪断力が作用することによると推察した.治療法は報告例の検討と自験例の結果から,手関節の伸展力の回復や整容的問題などのため,手術療法を選択するのがよいと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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