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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻5号

1997年05月発行

文献概要

臨床経験

上腕二頭筋腱遠位部皮下断裂の一例

著者: 永井達司1 岡義範1 太田和年1 斉藤育雄1

所属機関: 1東海大学整形外科

ページ範囲:P.649 - P.651

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 抄録:非常に稀な上腕二頭筋腱遠位部の皮下断裂を経験し手術療法にて良好な結果を得たので報告する.症例は47歳,白人男性.トラックに約10kgの荷物を載せようとした時,左上腕部にバシッという音と共に痛みが出現した.初診時左上腕二頭筋筋腹の異常隆起とその末梢部での陥凹を認め,超音波検査にて腱の断裂を疑わせる所見を得た.
 以上より上腕二頭筋腱遠位部皮下断裂と診断し手術を施行した.肘前方より進入し上腕二頭筋腱の遠位部切断端を確認した.次いで外側縦切開を加え橈骨粗面を露出し骨孔を開け,腱断端を橈骨粗面に縫合固定した.術後6週より理学療法を開始し,術後7カ月の現在,肘関節,前腕の機能はほぼ正常で経過良好である.上腕二頭筋腱遠位部皮下断裂は非常に稀であり本邦での報告は過去25例に過ぎない.治療法としては,一般的には筋力の回復の良さから手術療法が選択され,本症例においても良好な成績を得た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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