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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻6号

1997年06月発行

文献概要

手術手技 私のくふう

手関節関節包背側Z切開術による手術経験

著者: 西川真史1 相沢治孝1 新井弘一1 佐々木和広1 三浦一志2

所属機関: 1むつ総合病院整形外科 2中村整形外科病院

ページ範囲:P.687 - P.690

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 抄録:フランスのリヨン大学Prof.Herzbergによって考案された手関節包背側Z切開法をRA3例6関節の滑膜切除と,橈骨遠位端関節内粉砕骨折1例の整復に応用し,有用性を確認した.
 手関節背側皮膚を縦切開し,伸筋支帯をⅢ・Ⅳ伸筋支帯の位置で縦切開し扉状に翻転,Lister結節付着部も結節部に一部軟部組織を残して剥離翻転する.伸筋腱を両側に引き関節包を露出し,背側骨間神経を同定し切離する.Lister結節先端の手関節裂隙部(A)から有頭骨頭尺側(B)に向かう斜切開(A-B)を加え,(A)から手関節裂隙に沿って尺側に横切開(A-D),(B)から横切開(B-C)を加え関節包をZ状に切開し,2頂点から橈尺方向に翻転し,関節を露出させる.術後は翻転した関節包を元に戻し関節包を縫合,伸筋腱を戻し伸筋支帯をLister結節に縫着し切開部で縫合する.この方法は手関節背側の靱帯走行に沿った切開法で靱帯構造をできるだけ温存することとなり,閉鎖後も同様な関節支持作用が期待できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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