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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻6号

1997年06月発行

文献概要

臨床経験

膝窩動脈閉塞をきたした𦙾骨骨軟骨腫の1例

著者: 下村隆敏1 山本哲司1 下奥靖1 水野耕作1 辻義彦2 岡田昌義2 佃政憲3 坂田敏郎3

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科 2神戸大学医学部第2外科 3高砂市民病院整形外科

ページ範囲:P.707 - P.709

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 抄録:骨軟骨腫は日常よく遭遇する良性骨腫瘍であるが,血管病変を合併することは比較的稀である.症例は17歳の男性で6カ月前に右膝窩部の腫瘤を指摘されたが放置していた.次第に痔痛が増強し間欠性跛行を呈するようになったため入院した.単純X線像,CT像などより,𦙾骨後方に発生した骨軟骨腫と診断した.血管造影を行ったところ膝窩動脈の完全閉塞を認めた.術中,膝窩動静脈は腫瘍により外側へ圧排され,茎部で絞扼されていた.骨軟骨腫の切除の後,大伏在静脈を用いて大腿動脈-後𦙾骨動脈バイパス術を施行した.骨軟骨腫に仮性動脈瘤が合併した報告は散見されるが,今回の症例のように,骨軟骨腫によって血管が直接圧迫絞扼された報告は過去の文献上わずか5例のみであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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