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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻6号

1997年06月発行

文献概要

臨床経験

胸髄軟膜下脂肪腫の1例

著者: 高田宇重1 浅野聡2 大矢卓3 羽場等1 井須豊彦4

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科 2獨協医科大学越谷病院整形外科 3釧路労災病院整形外科 4釧路労災病院脳神経外科

ページ範囲:P.729 - P.732

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 抄録:胸髄軟膜下に発生した脂肪腫の1例を経験したので報告する.症例は26歳,男性.1993(平成5)年秋,歩行時のふらつきが出現.1994(平成6)年5月には排尿障害も自覚,以後徐々に症状が増悪.1995(平成7)年2月に初診,入院となった.入院時,痙性歩行,両下肢深部腱反射亢進,病的反射陽性,乳頭レベル以下の知覚鈍麻,排尿遅延あり.入院中に両下肢筋力低下が出現した.脊髄造影では,Th1~5レベルでtotal stop,cap defect様陰影欠損と軽度の脊髄腫大像を認めた.CTでは,腫瘍はfat densityだった.MRIは脊柱管内にT1WI,T2WIともに高信号を呈する信号域が脊髄を圧排していた.以上より,軟膜下に発生した脂肪腫と診断し手術を施行した,Th1~5椎弓切除後,顕微鏡下に硬膜,くも膜下を切開すると軟膜下に腫瘍を認めた.軟膜を切開し脊髄の拍動が認められるまで腫瘍を切除した.病理所見は成熟脂肪細胞だった.術直後より神経障害は著明に改善された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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