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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻6号

1997年06月発行

文献概要

臨床経験

両側大腿骨頚部骨折を合併した乳児Hirschsprung病の1症例

著者: 藤林俊介1 四方實彦1 清水和也1 田中千晶1 杉本正幸1 高橋真1 服部理恵子1

所属機関: 1京都市立病院整形外科

ページ範囲:P.733 - P.736

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 抄録:Hirschsprung病は,先天的に腸管壁内神経節細胞が欠如することによる腸管の蠕動運動障害のため,消化管内容が停滞し巨大な結腸を示す疾患で,出生5,000に対し1人と比較的よくみられる代表的な小児消化管疾患であるが,治療に抵抗し経腸管栄養不能となる重傷例は非常に稀である.また乳児の大腿骨頚部骨折も稀な疾患であり,主に転落などの外傷,小児虐待,骨形成不全症などがその病因となる.骨癒合が迅速で,変形も成長とともに自然矯正されるため,保存的治療が原則となる.今回われわれは,乳児Hirschsprung病に合併した,明らかな外傷なく自然発症した両側大腿骨頚部骨折を1例経験した.骨折の病因は,長期経静脈栄養と長期臥床による骨粗鬆症であると推測された.骨折は保存的加療により早期に治癒したが,乳児は1カ月後,肝機能不全および肺炎のため死亡した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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