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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻6号

1997年06月発行

文献概要

臨床経験

肩峰下滑液包に発生した骨軟骨腫症の1例

著者: 石川知志1 田島宝2 杉山晴敏2 森山明夫3

所属機関: 1東京厚生年金病院整形外科 2静岡済生会総合病院整形外科 3静岡医療福祉センター児童部

ページ範囲:P.745 - P.748

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 抄録:肩峰下滑液包に発生した骨軟骨腫症の治療経験を報告する.症例は,52歳の男性で,左肩痛を主訴に受診した.X線像,CT像,MRIで肩峰下滑液包の骨軟骨腫症が疑われた.関節鏡により肩甲上腕関節内に遊離体が存在しないことを確認した.肩峰下滑液包内に多数の遊離体が存在していた.滑膜に充血した部分はあるが,滑膜に連続した腫瘤はなく,鏡視下に遊離体を摘出し,充血の強い部分のみ滑膜切除を行った.術後1週間で肩の疼痛は消失し,2週間で肩の屈曲,外転は完全に可能となった.
 肩の機能を考慮すると肩峰下滑液包発生の骨軟骨腫症の全例に広範な滑膜切除を行う必要はないと思われる.関節鏡により,滑膜の状態を観察し,それにより遊離体の摘出に追加する滑膜切除の範囲を決めるべきである.本疾患の治療における関節鏡の役割は大きい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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