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文献概要
ついである記・14
Casablanca
著者: 山室隆夫12
所属機関: 1京都大学 2国際整形災害外科学会
ページ範囲:P.800 - P.801
文献購入ページに移動昭和一桁生まれの人であれば,大抵は「カサブランカ」という映画を見て若き日のイングリッド・バーグマンの清楚な美しさに魅了された想い出があるだろう.そのイングリッド・バーグマンももはや此の世の人ではないが,モロッコのカサブランカへ行けば,あの映画のシーンに出てくる「Bar Casablanca」で彼女に逢うことが出来る.ハンフリー・ボガードの演ずる青年リックがイングリッド・バーグマンの扮する美しい女性イルザと知り合って恋に落ちたのはパリであった.その後,何年かの歳月が流れて今は人妻となったイルザが,偶然,カサブランカのある酒場でリックと再会する.彼女は酒場の黒人ピアニストにパリでの想い出の曲である「As Time Goes By」をリクエストする.そして,リックとイルザの恋の想い出が再び蘇るというのが,この映画の出だしであった.この映画のロケが行われた酒場が,カサブランカのハイアット・リージェンシー・ホテルの1階に今もそのままの姿で営業されている.それがピアノ・バー「カサブランカ」である.そんなことは何も知らずに,私と家内は1994年の5月上旬にたまたまこのホテルに投宿した.前回少し書いたが,私達はマラケシュで開かれた汎アラブ整形外科学会のあと数日間モロッコ国内を旅行し,最後にカサブランカに住む私達の友人を訪ねるためにこの町へやって来たのである.
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