icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻7号

1997年07月発行

文献概要

臨床経験

腰椎に発生した多中心性類上皮血管腫の1例

著者: 久田原郁夫1 大和田哲雄1 大河内敏行1 佐藤巌1 米田稔1 山崎大2 小林晏2 山本利美雄3

所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科 2大阪厚生年金病院病理検査科 3大阪労災病院整形外科

ページ範囲:P.841 - P.845

文献購入ページに移動
 抄録:稀な腰椎に発生した多中心性類上皮血管腫の1例を報告する.症例は19歳の男性で軽微な外傷後に出現した腰痛を主訴とした.画像所見は第3腰椎横突起の菲薄化と膨隆を示した.外科的切除の後,痛みは消失した.4年後に誘因なく腰痛が出現し,画像診断で第2腰椎椎体腫瘍と判明した,CT像は,椎体の膨隆と多胞性の辺縁硬化を伴う病変で画像診断による確定診断はできなかった.局所の動脈塞栓術の後,前方進入にて病巣掻爬,骨移植術を施行した.術後,40Gyの放射線照射を施行した.病理組織像は2つの病変とも同様で,多くの毛細血管,小血管が結節性に増殖し血管内皮細胞は上皮様の形態を示し,内腔へ墓石状に突出していた.腫瘍の間質は線維性で線維芽細胞が多く出現し炎症細胞浸潤や出血もみられた,以上の所見より多中心性の類上皮血管腫と診断した.術後2年の現在,局所再発は認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら