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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻7号

1997年07月発行

文献概要

臨床経験

石灰化を伴って再発した胸髄髄膜腫の1例

著者: 荷田啓一郎1 土井田稔1 原田俊彦1 水野耕作1 尾崎昭洋2 園田万史2

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科 2市立西脇病院

ページ範囲:P.847 - P.851

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 抄録:症例は65歳女性である.1959年頃から両下肢の知覚鈍麻が出現し歩行不能となったため,1962年に当科入院した.胸髄腫瘍の診断で腫瘍摘出術を行った.組織学的にはpsammomatous meningiomaであった.術後経過は順調であったが、1989年頃から再び歩行困難出現し,胸髄髄膜腫再発の疑いで1996年当科入院した.単純X線像で第4胸椎レベルに石灰化陰影を認め,CT,MRIでも同レベルで腫瘍による脊髄の圧迫像が認められた.石灰化を伴った胸髄腫瘍と診断し,腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は全て石灰化組織よりなり,病理組織的にはpsammomatous meningiomaの再発であった.髄膜腫の再発は一般的には4~13%と報告されているが,本症例のように30年以上もの期間をおいて再発し,しかも単純X線像上で石灰化像を認めた報告はなく,極めて稀な1例と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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