icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻8号

1997年08月発行

文献概要

論述

STT(scaphotrapezial trapezoidal)関節症の手関節X線像

著者: 谷口泰徳1 野村和教1 平野三好1 玉置哲也1

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.873 - P.877

文献購入ページに移動
 抄録:STT関節症の手関節X線所見について検討した.対象例は男4例女8例,年齢は60歳~93歳,平均70.3歳で両側発症8例,片側発症4例であった.患側は右側10手関節,左側10手関節であり発症側に左右差を認めなかった,STT関節ではgrade 3と判定される重度の関節症が65%と比較的高頻度に認められるのが特徴であった.母指CM関節では関節症性変化は高頻度に認めるが,重度のgrade3の関節症は15%と少なく,そのほとんどが軽症例であった.その他の部位の模骨月状骨間,模骨舟状骨間,手根中央関節の関節症性変化の出現は低頻度で,ほとんどがgrade 1の軽症例のみであった.全例において橈骨舟状骨角は低値を示し,舟状骨は背屈回旋位となっていた.STT関節症の病態は加齢性変化などの一次性要因を背景として,母指のピンチ動作などの負荷が加わり靱帯,関節包の摩耗をきたし,舟状骨は背屈回旋しSTT関節症に進展すると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら