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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻8号

1997年08月発行

文献概要

臨床経験

横紋筋群が存在した仙骨部脂肪腫の1例

著者: 田村晋1 村上正純1 喜多恒次1 南昌平1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科

ページ範囲:P.937 - P.940

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 抄録:脊柱管内で横紋筋群に連続した仙骨部脂肪腫による脊髄係留症候群の1例を経験した.症例は20歳男性で,主訴は排尿障害と左足変形である.Dimple,異常毛髪などの体表奇形はなく,神経学的には肛門周囲の痛覚鈍麻と両側ATRの亢進を認めた.また,排尿障害のため自己導尿を行っていた.画像所見では,Sl以下にspina bifidaを認め,S3以下に存在したcaudalタイプの脂肪腫により脊髄が係留されていた.後方侵入により,脂肪腫を切離すると,脊柱管内の腹側部分で脂肪腫内に縦走する横紋筋群が存在し,これは電気刺激により収縮することが確認できた.これらを切離することにより,脊髄は完全にuntetheringされた.腰仙部脂肪腫で脂肪腫内に痕跡的に筋組織が混入した症例は散見されるが,完全な横紋筋群として存在した報告例はなく,本例は極めて稀な症例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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