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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻8号

1997年08月発行

文献概要

臨床経験

小児に発生した脊髄損傷を伴う胸椎椎体破裂骨折の1例

著者: 加藤弘文1 濱上洋1 高橋健志郎1 水野泰行1 加藤充孝1

所属機関: 1長浜赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.947 - P.951

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 抄録:11歳の女児に発生した脊髄損傷を伴った胸椎椎体破裂骨折の1例を経験した.Th12椎体は破壊された前壁の前方への転位はほとんどなく,椎体後方部が硬膜管を圧排する特異な破裂骨折であった.Th11,L1椎体にも骨折を認めたため,6週間の体幹ギプス固定後,Th11-L1間で前方除圧固定術を行った.本症例では術後も成長が続くと考え,内固定物は使用しなかった.麻痺の回復は良好であった.
 小児では胸腰椎椎体骨折の発生率は低い.また,小児脊髄損傷例では骨傷が不明であるか,または軽度な例が多い.これらは小児の脊柱がこの高位で,かなり可撓性に富んでいることによると思われる.本症例ではこの可撓性を上回る,非常に強い外力が加わり,破裂骨折を伴う脊髄損傷が発生したと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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