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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻8号

1997年08月発行

文献概要

臨床経験

陳旧性𦙾骨顆間隆起骨折に対する前十字靱帯再建術の1例

著者: 史賢林12 堀部秀二1 濱田雅之1 三岡智規1 松本憲尚3 土井照夫1

所属機関: 1大阪労災病院整形外科 2聖マリアンナ医科大学附属難病治療研究センター 3大阪大学医学部整形外科

ページ範囲:P.953 - P.956

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 抄録:陳旧性𦙾骨顆間隆起骨折に対して前十字靱帯(以下ACL)再建術を行った1例を経験した.症例は25歳男性.1995(平成7)年9月交通事故にて左膝を受傷し膝不安定感と疼痛が持続するため,1996(平成8)年4月当科を受診した.軽度の伸展制限および前方不安定性を認め,伸展位での疼痛が著明であった.単純X線では骨片が転位した陳旧性𦙾骨顆間隆起骨折を認めた.MRIではACL実質部の膨化と輝度の不均一な上昇を認めた.関節鏡視ではACLは弛緩していたため,ACLを骨片ごと切除し自家半腱様筋腱を用いて再建術を施行した.術後9カ月の現在,疼痛,不安定性ともに消失している,切除したACLは光顕では膠原線維の長軸方向への均一な配列がみられず線維間の拡大を認め,電顕では60nm以下の細い径のfibrilの増加を認めた,陳旧性𦙾骨顆間隆起骨折においてACLの変性が疑われるときは,骨片をそのまま整復固定するよりも再建術を行った方がよいと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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