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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻9号

1997年09月発行

文献概要

論述

橈骨コンポーネント付き人工肘関節の開発と使用経験

著者: 中嶋洋1 西塔進1 山本隆文1 太田信彦1 石山照二1 山本健吾1 宮崎忠勝1 島田幸造2

所属機関: 1住友病院整形外科 2大阪厚生年金病院整形外科

ページ範囲:P.973 - P.983

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 抄録:人工肘関節に安定性と生理的な荷重伝達を可能とするためステムに9゜の傾斜をつけた橈骨コンポーネント付き人工肘関節(N式)を開発し,12例14肘に置換した.その臨床成績,安定性を工藤111型(K式)症例9例10肘と比較した.N式は平均手術時年齢60.2歳,平均追跡期間35.1カ月,K式は62.7歳,70.4カ月であった.JOA scoreはK式は53.1点が75.8点に,N式は45.6点が87.1点と改善し,N式に有意に高い術後点数が得られた.X線学的にゆるみの変化はいずれの群にも見られなかった.X線ストレス撮影ではK式は外反方向に8.4゜の動揺性を示したのに対し,N式は1.6゜で有意に安定性を示した.橈骨コンポーネント関節面の動態を中間位,回内位,回外位での正側面X線像により検討した.関節面の角度変化,軸偏位は極めて少なく,橈骨コンポーネントは適正な動態を示した.以上のことからN式人工肘関節は,関節の安定性と高い臨床成績が得られることがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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