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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻9号

1997年09月発行

文献概要

論述

関節近傍および四肢末梢に発生した軟部肉腫に対する患肢温存手術の経験

著者: 土谷一晃1 高橋寛1 安田ゆりか1 鳥畑秀子1 茂手木三男1 丸山優2 沢泉雅之2 亀田典章3 蛭田啓之3

所属機関: 1東邦大学医学部整形外科 2東邦大学医学部形成外科 3東邦大学医学部佐倉病院病理

ページ範囲:P.1001 - P.1008

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 抄録:当科で患肢温存手術を行った肘関節,前腕,足などの軟部肉腫について治療上の問題点を検討した.症例は術前診断でadequate wide marginの獲得が可能,あるいはそれ以下でも術前療法有効と診断された13例で,病理組織診断はMFH4例,滑膜肉腫2例などであった.発生部位は足・足趾,前腕各4例などで,筋肉内腫瘍8例,皮下腫瘍5例であり,腫瘍の大きさは平均5.8cmであった.広範切除後,11例に有茎または遊離皮弁による再建を行った.切除縁評価はwide margin 11例,intralesional margin 2例,平均33カ月の経過で再発は1例,CDFI0例,NED1例,他因死2例であり,機能評価は平均で上肢26.7点,下肢27.0点であった.四肢末梢でも画像所見,局所可動性などを参考に,筋膜,関節包などをバリアーとしてadequate wide marginの設定が可能であれば患肢温存を検討すべきである.上肢の場合,機能保持のため緻密な切除縁の設定が必要で再建法の工夫が今後の課題と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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