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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科32巻9号

1997年09月発行

文献概要

臨床経験

背椎に発生した類骨骨腫の治療経験―2例報告

著者: 東裕隆1 浅野聡1 大矢卓1 高橋達郎2 佐藤栄修3

所属機関: 1釧路労災病院整形外科 2釧路労災病院病理部 3北海道大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1053 - P.1058

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 抄録:比較的稀な脊椎に発生した類骨骨腫の2例を経験した.ともに15歳の男性で,1例は下関節突起,他の1例は椎弓根に発生していた.臨床症状では安静時痛(特に夜間痛)が特徴的であった.断層写真,CTではnidusを示す周囲に骨硬化像を伴う卵円形の骨透亮像が認められ,骨シンチグラムの集積像とともに有用であった.確定診断にはnidusの大きさと組織学的所見によった.2例とも痔痛の消失には,手術によるnidusの完全切除が必要であった.1例で背椎固定術を併用した.調査時(術後6年および2年),2例とも症状および腫瘍の再発はなかった.1例では側弯の合併が早期診断のpitfallとなっていた.背椎発生の類骨骨腫の診断上,注意を要する点である.われわれは比較的稀な背椎に発生し,手術を必要とした類骨骨腫(osteoid osteoma)の2例を経験したので,苦干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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