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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻1号

1998年01月発行

文献概要

論述

骨盤位分娩麻痺の特徴

著者: 樋口周久1 川端秀彦1 柴田徹1 有賀健太1 坪井秀規1

所属機関: 1大阪府立母子保健総合医療センター整形外科

ページ範囲:P.17 - P.20

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 抄録:骨盤位分娩麻痺の特徴を頭位分娩麻痺の特徴と比較して検討した.対象は骨盤位分娩麻痺67例.頭位分娩麻痺136例であった.平均出生時体重は骨盤位分娩麻痺では2,895gと頭位分娩麻痺の4,186gより小さく,罹患側に関しては,骨盤位分娩麻痺の両側罹患の割合は25.4%であり,頭位分娩麻痺の0.7%より高かった.これらは,頭部娩出の順序およびその方法の違いによるものと考えられた.麻痺形式では骨盤位分娩麻痺の86.6%が上位型であるのに対して,頭位分娩麻痺の63.2%が全型であった.合併症については,骨盤位分娩麻痺で横隔神経麻痺の合併頻度が高く,ホルネル症候群を認めなかった.麻痺形式と合併症の違いは,腕神経叢に加わる分娩時の牽引力の方向の相違によると考えられた.手術所見では骨盤位分娩麻痺で節後損傷が少なく,神経根引き抜き損傷が多かった.また,神経根引き抜き損傷はC5からC7の上位神経根に集中していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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