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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻1号

1998年01月発行

文献概要

論述

変性側弯の有無による腰部脊柱管狭窄症の病態および治療成績の比較検討

著者: 石本勝彦1 井口哲弘1 松原伸明1 日野高睦1 西川哲夫1 冨田佳孝1 本田久樹1

所属機関: 1兵庫県立加古川病院整形外科

ページ範囲:P.27 - P.34

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 抄録:Cobb角10°以上の変性側弯の有無で,腰部脊柱管狭窄症の病態および治療成績を比較検討した.病態面でみれば,変性側弯のある群は,腰痛,筋力低下,L4神経根障害および多椎間障害が多いという点で変性側弯のない群と比較して有意差があった.観血的治療に関しては変性側弯群は日整会腰痛治療判定基準の改善率が有意に劣っており,特に馬尾障害を伴うものの改善が悪かった.変性側弯群は術後側弯と側方すべりの増強がみられたが,程度は軽く症状の再発には至らなかった.固定や矯正術の併用については,側弯の程度が軽い症例が多いため,患者の状態や腰背筋の筋力,術前の不安定性などを考慮して慎重に選択する必要がある.また変性側弯のある群は,それがない通常の腰部脊柱管狭窄症に比べて,術前の病態が異なっており,さらに治療成績も悪く,後者の治療概念をそのまま適応するのは問題があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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