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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻1号

1998年01月発行

文献概要

連載 リウマチ―最新治療のポイントとその留意点・4

手関節疾患への対応

著者: 水関隆也1

所属機関: 1広島県身障者リハビリテーションセンター

ページ範囲:P.37 - P.44

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 抄録:多くの関節リウマチは手関節が初発部位となる.手関節の変形,障害はすなわちリウマチとの闘病結果を反映しているともいえる.手関節滑膜炎が投薬によって改善されない場合には滑膜切除術が考慮される.早期の場合は尺骨頭を温存したまま滑膜切除術が行われるのがよい.中期,晩期の場合は,滑膜切除術をより完全に近づけ伸筋腱の断裂を予防するため,尺骨頭切除術を併用する.尺骨頭切除術から生じる尺骨末端不安定症,手根骨の尺側転位を予防するためSauve-Kapandji法を追加することもある.手関節の変形が進行すると手根骨は尺掌側へ脱臼し,手関節は不安定になることが多いが,これを矯正,安定化するには手関節固定術が選択される.手根中央関節が保たれ橈骨手根関節が破壊された例では手関節の可動域をいくらかでも維持できる部分手関節固定術が選択される.これらの併用手術は変形予防/矯正に有効であるが,これらに関心を奪われ肝心の滑膜切除術が疎かになってはならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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