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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻1号

1998年01月発行

文献概要

臨床経験

膝関節部に発生したグロームス腫瘍の1例

著者: 土田敏典1 赤丸智之1 津山健1 北野喜行2

所属機関: 1国立山中病院整形外科 2市立砺波総合病院整形外科

ページ範囲:P.79 - P.81

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 抄録:膝前面に発生したグロームス腫瘍の1例を経験し,MRIの術前診断としての有用性について考察した.症例は64歳男性で,3年前から誘因なく右膝前面の疼痛が出現し,同部に直径約10mmの腫瘤を自覚していた.CTでは膝蓋骨前面に境界明瞭な腫瘤を認めた.MRIでは,T1強調像で低信号,T2強調像で中等度から高信号に描出され,内部に線状の無信号域を有し,Gd造影像では全体に淡く造影された.局所麻酔下に腫瘍を一塊として摘出した.術後疼痛は消失し,2年を経過した現在,再発を認めていない.病理組織学的には,拡張した血管の増殖と,それを取り巻く小型類円形細胞の腫瘍性増殖を認め,グロームス腫瘍と診断した.MRI像においてグロームス腫瘍ではT2強調像で高信号を示し,内部に点状・線状の無信号領域をもち,これをsalt-and-pepper patternと呼ばれており,今後もMRIを術前診断として試みる価値があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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