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臨床経験
脊柱管内に突出した小児頚椎椎間板石灰化症の1例
著者: 堀木充1 大和田哲雄1 大河内敏行1 佐藤巌1 久田原郁夫1 米田稔1
所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科
ページ範囲:P.87 - P.90
文献購入ページに移動症例は11歳男児で頚部痛,頚部運動制限を訴えていたが,神経学的には異常が認められなかった.断層X線写真で,C5椎体の扁平化,椎間腔の拡大,C5-6椎間板内の小さな石灰化陰影と脊柱管内に突出する石灰化陰影を認めた.本症例で後方突出が認められるが,神経症状がなかった理由として,石灰物質が椎間孔内に漏出していなかったこと,脊髄に比べて脊柱管が広く,脊髄への圧迫が軽度であったことが挙げられる.しかし,神経症状が出現した場合でも石灰化物質は徐々に吸収されるため手術的治療はほとんどの症例で適応がないと考えられる.本症例も保存的治療で症状は緩解し,その後,症状の再発は見られない.
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