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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻10号

1998年10月発行

文献概要

臨床経験

脳性麻痺を合併した成人クレチン症の1例

著者: 西山正紀1 二井英二1 山崎征治2

所属機関: 1三重県立草の実リハビリテーションセンター整形外科 2上野総合市民病院整形外科

ページ範囲:P.1233 - P.1235

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 抄録:脳性麻痺を合併した成人クレチン症の1例を経験したので報告する.32歳時身体所見は,身長128cm,arm span 123cmで四肢短縮型小人症を示していた.重度の知能障害,眼間開離,鼻根扁平,鞍鼻を認めた.皮膚は蒼白で乾燥し,やや冷たく,手指は太く,屈曲拘縮を示した.下肢には痙性が著明であった.末梢血では軽度の貧血,甲状腺機能検査ではT3,T4の減少,TSHの増加をみた.X線所見では,腸骨稜骨端核の癒合不全,股関節亜脱臼,外反扁平股を認め,成人クレチン症と脳性麻痺の混在する所見を示した.甲状腺ホルモン投与により活動性の改善と多関節症状の改善が得られ,治療開始後2年のX線所見では,腸骨稜骨端核は癒合していた.成人クレチン症においても,内科的甲状腺ホルモン管理は重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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