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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻11号

1998年11月発行

文献概要

論述

圧迫性頚部脊髄症(脊柱靱帯骨化症を除く)に対する手術成績―前方法と後方法の比較検討

著者: 川上守1 玉置哲也1 岩﨑博1 吉田宗人1 安藤宗治1 山田宏1 林信宏2 中元耕一郎3

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科 2和歌山労災病院整形外科 3有田市立病院整形外科

ページ範囲:P.1261 - P.1269

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 抄録:脊柱管狭窄がなく2椎間までの前方圧迫病変であれば前方除圧固定術(A法)を,3椎間以上の病変や最小脊柱管前後径が13mm未満であれば脊柱管拡大術(P法)を用いている.これらの術式選択で治療した椎間板ヘルニア,頚椎症による脊髄症136例(A法60例,P法76例)を対象に手術成績を調査し,各疾患群におけるわれわれの術式選択の有用性と問題点を検討した.年齢,疾患名を除いて,性,罹病期間,術前JOA score,頚部愁訴,疾患別の改善率には両群間に有意な差はなかった.調査時頚部愁訴はA法の23例,P法の12例に認められた.A法でのみ年齢と改善率に相関を認めたが,術前,調査時の頚椎アライメント,罹病期間と改善率の間には関連はなかった.術前前弯症例ではA法に比し,P法が有意に保持されていた.両群ともに脊髄後弯型の頚髄アライメントを示した症例の改善率が低値であった.術後頚髄後弯を防ぐことが手術成績向上につながる可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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