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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻11号

1998年11月発行

文献概要

ついである記・29

Finland

著者: 山室隆夫12

所属機関: 1京都大学 2国際整形災害外科学会

ページ範囲:P.1328 - P.1329

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 私は1994年3月末に京都大学を定年退職した.定年後の人生をどのように過ごすかは大きな課題である.大抵の人達は私学の教授職に就いたり,医師であれば関連病院の病院長職にすんなりと納まって,現職中に慣れ親しんできた職業の延長線上でもう一働きすることを選択する場合が多いが,なかには曾ての自分の専門領域とはまるで違ったことを興味の対象として打ち込んでいく人達もいる.私はたまたま定年の1年前から国際整形災害外科学会(SICOT)の理事長に就任していたので,この学会の大きな活動目標の一つである発展途上国での医学教育の普及のために,極めて頻繁に海外出張をしなければならなかった.したがって,定年後大抵の人達が就くような再就職の選択肢は私には無いに等しかった.それならば,私は自分の体力の続く限り,必要があれば,いつでもどこへでも出かけて,自分のやれることをやってみようという気持ちを固めた.そして,3月末の退職後,すぐ4月中旬には英国へ渡って各地で講演をし,4月末にはモロッコへ行き,5月上旬にはブラッセルにあるSICOTの本部に赴き,さらに7月にはフィンランドとロシアを訪ねて,8月上旬に母親の一回忌を務めるため日本へ帰国した.その私達を待っていたかのように,8月11日には初孫娘が誕生して私の人生に花を添えてくれた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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