icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻11号

1998年11月発行

文献概要

臨床経験

神経内ガングリオンによる深腓骨神経麻痺の1例

著者: 吉本三徳1 倉秀治1 常見健雄1 鈴木知勝2 薄井正道3 石井清一3

所属機関: 1釧路赤十字病院整形外科 2釧路赤十字病院病理 3札幌医科大学整形外科

ページ範囲:P.1333 - P.1336

文献購入ページに移動
 抄録:神経内ガングリオンによる深腓骨神経麻痺の1例を経験したので報告する.症例は34歳男性で,主訴は左下垂足.1997年4月頃より特に誘因なく左足関節の自動背屈が不能となった.初診時,MMTで前𦙾骨筋が0,長母趾伸筋および長趾伸筋が2,長短腓骨筋は5であった.また,深腓骨神経領域に軽度の知覚鈍麻を認め,腓骨頭下方にはTinel signが陽性であった.MRIで腓骨頭下方にT1 low,T2 highの索状の腫瘍性病変を認めた.
 以上の所見より,腓骨頭周囲の軟部腫瘍による深腓骨神経麻痺を疑い手術を施行した.総腓骨神経から深腓骨神経にかけて約10cmの範囲で神経が腫大しており,被膜を切開すると内部よりゼリー状の内容物が流出した.神経内ガングリオンと判断し摘出を試みたが,神経組織との境界が不明瞭で一部は切開して内容物の排除だけにとどまった.術後4カ月の現在,知覚鈍麻は消失し,筋力も回復傾向にある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら