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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻12号

1998年12月発行

文献概要

論述

高齢者の膝内側部痛―膝関節内注入と神経根ブロックによる検討

著者: 矢吹省司1 菊地臣一1

所属機関: 1福島県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.1381 - P.1385

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 抄録:高齢者(65歳以上)300例の膝内側部痛の原因を膝関節内注入と神経根ブロックを用いて検討した.それらの治療効果の判定から膝内側部痛は,膝OA群,根性膝痛群,および合併群の3群に分類できた.神経根症が関与している症例(根性膝痛群と合併群)が300例中21例(7%)存在した.それらの特徴は,訴えは膝内側部痛であっても,痛みの範囲が膝OA群に比して広いこと,特に大腿部への拡がりが認められること,大腿神経伸張テストやKemp徴候の手枝で膝内側部痛が誘発されること,膝蓋腱反射の左右差の存在,知覚障害の存在,そして腰痛の合併であった.膝OAの治療に抵抗する症例に対しては,腰部神経根症,特に第4腰神経根症の関与を疑って,神経根ブロックなどによる評価を追加する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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