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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻12号

1998年12月発行

文献概要

臨床経験

第1肋骨奇形による胸郭出口症候群の1例

著者: 土田恒久1 千葉光穂1 奥山幸一郎1 鈴木均1 黒田利樹1 小西奈津雄1 田村康樹1

所属機関: 1秋田労災病院整形外科

ページ範囲:P.1429 - P.1432

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 抄録:今回われわれは,第1肋骨の偽関節様構造が原因と思われる胸郭出口症候群の1例を経験したので報告する.症例は21歳の女性で,主訴は左鎖骨部痛と左手掌のしびれである.理学所見では,左第1肋骨部の圧痛と同部の圧迫による症状の出現がみられ,Wrightテスト,Morleyテストで症状の再現がみられた.単純X線写真で第1肋骨の形態異常を認め,三次元CTで第2肋骨と偽関節様構造を形成している所見が確認された.血管造影では,偽関節様構造形成部位に一致して左鎖骨下動脈に50%の狭窄像が認められた.手術は経腋窩アプローチによる第1肋骨切除術を施行した.術中,第1肋骨は第2肋骨と癒合しており,第1肋骨切除により鎖骨下動脈の拍動が十分に得られた.術後約2週間で症状はほぼ消失し,現在も症状の再発はみられていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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