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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻12号

1998年12月発行

文献概要

臨床経験

悪性変化した殿部巨大毛嚢嚢腫の1例

著者: 青山朋樹1 高橋忍1 琴浦良彦1 吉田芳信2 桐山貴至3

所属機関: 1市立長浜病院整形外科 2市立長浜病院形成外科 3市立長浜病院皮膚科

ページ範囲:P.1433 - P.1437

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 抄録:粉瘤は日常診療上,比較的よく見られる疾患であるが稀に悪性化する例もある.今回われわれは40年を経過し悪性変化をした殿部の巨大粉瘤の1例を報告するとともに粉瘤の悪性変化について文献的考察を加えた.患者は71歳の男性で,40年前から右殿部に発生した腫瘤を自覚していたが放置していた.単純CTにて嚢腫内腔に突出する壁を認めた.大きさは19×17×7cmの巨大な腫瘤で1,050gの重量があった.被膜に包まれた多胞性の腫瘤で隔壁が認められた.組織像はケラチン角化を認める外毛根鞘由来の毛嚢嚢腫で内壁の突出部に扁平上皮癌を認めた.このため追加切除とリンパ節生検を行った.本邦で報告されている悪性変化した粉瘤は46例であるが長期経過した例が多く,平均19.4年の経過を持つ.また20例(43.5%)は殿部に発生しており,悪性化した粉瘤には殿部発生例が多い.長期経過した,巨大な粉瘤は悪性変化の可能性があるため注意が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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