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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻2号

1998年02月発行

文献概要

手術手技 私のくふう

膝前十字靱帯再建術後のクライオセラピーの効果

著者: 大越康充1 大越めぐみ1 長崎普也1 小野亜紀1 橋本友幸1 山根繁1

所属機関: 1函館中央病院整形外科

ページ範囲:P.141 - P.147

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 抄録:本研究の目的は膝前十字靱帯再建術後に施行するクライオセラピーが関節内温度と臨床成績に与える影響を明らかにすることである.21例21膝を対象とし,prospective & randomised studyを行った.再建術は自家ハムストリング腱を用い,一皮切関節鏡視下にて行い,手術終了時に関節内の2箇所に温度センサーを留置し,計測した.術直後よりlcing system 2000(NIPPON SIGMAX CO., LTD.)を用い,冷却を行った.冷却は5℃(5℃群,N=7)および10℃(10℃群,N=7)の2種類で行い,48時間継続した.また,冷却を行わない群を対照群(N=7)とした.5℃群,10℃群においては術直後の低温期,つづいて温度上昇期そして恒温期の3相を呈した.対照群では低温期は存在せず,直ちに恒温(37.3±0.2℃)に達した.低温期における膝蓋上嚢内の温度は5℃群,10℃群でそれぞれ30.9±3.0℃,32.1±1.1℃でいずれも体温より有意に低かった(p<0.01).疼痛scaleと鎮痛剤投与回数は10℃群が対照群に対して有意に低かった(p<0.05).出血量は5℃群が対照群より有意に少なかった(p<0.01).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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