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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻2号

1998年02月発行

文献概要

シンポジウム 人工股関節置換術の再手術における私の工夫

緒言/増加する全人工股関節置換術再手術にいかに対処するか フリーアクセス

著者: 山室隆夫1

所属機関: 1京都大学

ページ範囲:P.148 - P.149

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●1995~1996年に40%の増加を示した再手術例
 近年,わが国における全人工股関節置換術の症例数は毎年約10%の増加を示し,1997年には年間20,000例に達した.また,矢野経済研究所の調査によれば,全人工股関節置換術再手術の症例数はわが国では1995年度が1,630例,1996年度が2,290例で前年度に比して約40%の増加を示している.これらのことから考えると,再手術症例の数は今後ますます増加してくるものと考えられる.
 一般に,再手術後のsurvival rateは初回手術のそれに比してかなり低いのが通例であり,再手術の10年後には再々手術を必要とする症例が極めて高率に発生してくることが予想される.再々手術は再手術にも増して手術手技が難しく,患者に与える苦痛や障害が大きいので何としても避ける努力がなされなければならない.初回手術の手技は多くの手術書に記載されており,解剖学を熟知した上で規則通りに行えば多くの場合,所期の手術結果を得ることができる.しかし,再手術においては,骨欠損の状態が症例によって著しく異なり,除去すべきインプラントの性状もまちまちである.骨欠損についてのAAOSの分類も必ずしも適切とはいえないし,また,骨セメントの除去法についてもスタンダードの方法は無い.ましてや大きな骨欠損の充填法は材料的にも,また手術手技的にも教科書的な方法は無い.したがって,再手術の方法は結局は術者の経験に頼ることにならざるをえない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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