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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻3号

1998年03月発行

文献概要

シンポジウム 大きな骨欠損に対する各種治療法の利害得失

外傷性骨欠損(感染性偽関節や軟部組織の欠損を含む)に対する血管柄付き腓骨移植術

著者: 矢島弘嗣1

所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.259 - P.265

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 抄録:血管柄付き腓骨移植術は,骨欠損の大きさに関わらず早期にかつ確実に骨癒合が得られる非常に優れた手術方法である.また,軟部組織欠損を伴っているような症例に対しても,骨と軟部組織の一期的再建が行える利点をも有している.1976年から1996年の21年間に,79例の外傷性骨欠損(外傷性骨髄炎を含む)に対して本法を施行し,77例の移植が成功した.成功例の骨癒合完成時期は,大腿骨再建例で平均6.8ヵ月,脛骨再建例で平均5.9ヵ月,上肢再建例では平均4.3ヵ月であった,感染の再燃は53例中6例にみられたが,4例は掻爬のみで鎮静化が得られた.採取側の合併症としては,第一足趾の槌趾変形が5例にみられ,後日腱切り術を要した.他に,皮弁採取部の創傷治癒遅延を2例に,腓骨採取部の疼痛を2例に,神経麻痺を3例に認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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