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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻3号

1998年03月発行

文献概要

論述

腰仙部神経根奇形の検討

著者: 池間理亜子1 永瀬譲史2 板橋孝2 太田秀幸2 清水純人2

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科 2国立千葉病院整形外科

ページ範囲:P.327 - P.333

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 抄録:腰仙部神経根奇形はそれ自体は無症候性であるとされるが,時に腰仙部障害の発現に関与していることがある.筆者らは,奇形神経根が関与している手術例を2例経験したので,過去7年間の脊髄造影を再読影し,腰仙部神経根奇形の診断を中心に検討を行った.自験例における腰仙部神経根奇形の頻度は,436例中13例,3.0%であった.諸家の報告頻度は脊髄造影では1.5~4.0%,剖検例では8~14%であり,決して希なものとは言えない.その術前診断において臨床症状や神経学的所見のみでは鑑別が困難であり,画像診断が重要である.なかでも脊髄造影は信頼性が高く,読影の際には常に本奇形に留意する必要がある.また,CTミエログラフィーでは奇形神経根レベルにて,椎間孔へ向かう連続性の異常に太い根嚢像が認められる.MRIではCTミエログラフィー同様の所見が見られるが,ヘルニア塊との鑑別がし難く,MRIのみでの診断は注意を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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