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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科33巻3号

1998年03月発行

文献概要

臨床経験

全層皮膚または粘膜欠損創に対する真皮欠損用グラフトの使用経験

著者: 田中克己1 藤井徹1 村上隆一1

所属機関: 1長崎大学医学部形成外科

ページ範囲:P.363 - P.368

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 抄録:全層皮膚または粘膜欠損創に対しては,現在までに多くの創傷被覆材が開発されているものの,ほとんどが一時的緊急創被覆を目的としたもので創傷治癒への有効性は少ない.今回われわれは,アテロコラーゲンとシリコンフィルムからなる2層性の真皮欠損用グラフトを使用する機会を得た.
 真皮欠損用グラフトを創面に貼付し,母床および周辺組織から内層のコラーゲンスポンジに線維芽細胞と毛細血管が侵入し,瘢痕組織とは異なる真皮様組織が形成された後に薄目の分層植皮術を施行する.小範囲に適用した場合には,シリコンフィルム下の真皮様組織に表皮形成が進展する.腱や骨などの深部組織の露出した全層皮膚または粘膜欠損創10例に対して使用した.6例に植皮術を施行,3例は植皮なしで表皮形成が完了した.1例は感染により中止となったが,症例によっては有用な再建法の1つと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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