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臨床経験
全層皮膚または粘膜欠損創に対する真皮欠損用グラフトの使用経験
著者: 田中克己1 藤井徹1 村上隆一1
所属機関: 1長崎大学医学部形成外科
ページ範囲:P.363 - P.368
文献購入ページに移動真皮欠損用グラフトを創面に貼付し,母床および周辺組織から内層のコラーゲンスポンジに線維芽細胞と毛細血管が侵入し,瘢痕組織とは異なる真皮様組織が形成された後に薄目の分層植皮術を施行する.小範囲に適用した場合には,シリコンフィルム下の真皮様組織に表皮形成が進展する.腱や骨などの深部組織の露出した全層皮膚または粘膜欠損創10例に対して使用した.6例に植皮術を施行,3例は植皮なしで表皮形成が完了した.1例は感染により中止となったが,症例によっては有用な再建法の1つと考えられた.
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